キミだけをずっと



すると流れていた涙を指で拭いた大樹は、どこか切なそうな表情をしていた


大樹を見つめていると、顔の角度を変えた大樹の顔がいきなり近くなり、私の唇に触れるだけの優しいキスをした



スッと離れるとまた大樹に力強く抱きしめられた



「俺も好きだったんだよ」



耳元で囁かれた言葉


「好き」


やっと大樹の口からこの二文字の言葉が聞けた


幼なじみ以上になった瞬間だった


時が止まればいいのにって思ったりもした



好きなんだよ


誰よりもあなたを…


私と大樹はずっと抱き合ったまま温もりを感じていた



「ちょっと目を離すとこうなるんだよな…」


「大樹、何か言った?」


「いや!何も」



体から離れて大樹はポケットに手を突っ込んで背の低い私を笑って見下ろしていた





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