キミだけをずっと
大樹の隣を歩いているけど、ちゃんとカップルって思われてるのかな?
前を見て歩く大樹を横目で見ていると、今日はシンプルな格好の大樹
黒のウインドブレーカーでチャックは開いていて、中のTシャツは白
ズボンはボーイズデニムで、エナメルバックを肩に斜め掛け
いつもは学ランの制服だから、なんか新鮮な感じがした
気づけば目の前にはイルカの大きな水槽が目に入った
「ねぇ、さっき見たイルカだ!」
大樹の二の腕を軽く叩いてイルカの水槽に駆け寄った
大樹は微笑んで私の後を追った
水槽に両手を付けて頭上を泳ぐイルカに夢中だった
「大学に合格出来るかな?」
「出来るさ。今まで必死に勉強してきたじゃん!」
「そうかな…。テストが近くなる度に緊張していって…」
水槽を見ていた目線を大樹に向けると、心配そうな目で大樹は私を見ていた