キミだけをずっと
水族館からの帰りのバスは、とても静かに感じた
窓側に私、通路側に大樹が座っていた
窓の外を見ると、もう夕日が射していて日が暮れようとしていた
バスが揺れるごとにお互いの腕が当たり、大樹と目が合い恥ずかしくて目を逸らして
腕が当たらないようにお互い避けていた
これが大樹との初めてのデートだね
あっという間に過ぎてしまった
バスに揺られていると、だんだん眠くなってしまった
目を細めたまま大樹を見ると、バスの前方を向いてしっかりと目が開いていた
疲れもピークに達し、うとうとと目をつむってしまった
気づけば家の近くまでバスが来ていた
「おい!起きろ」
大樹が私の肩を叩いているのに気づき、顔を上げると、大樹の肩に乗っていた
「あ、ゴメン!」
「もう降りるから前に行こう!」
席を立ち、上の取っ手に捕まっていた
降りるバス停に着き、バスが停車した
ブレーキの弾みで前へ体が傾いた
その時、反射的に私の腕を掴んでくれていた