キミだけをずっと
少しビックリした声を出した大樹に笑い出してしまった私。
「はは、そんなの秘密だよ!秘密!」
「なんだよそれ!」
「あの時のお返し。夏祭りの時のお願い事!」
「…は?」
「まさか自分で言った事もう忘れたの?ショックだな〜」
ガッカリした私を気にしたのか、大樹が前の席から横目で私を見ていた。
「着いたよ」
私の家まで大樹はわざわざ送ってくれた。
ゆっくり自転車から降りた私は、カゴの中に入れていたバックを取って大樹を見ると
「背、高くなってる」
「まぁ、バスケしてるし」
「ちょっと立ってよ!」
大樹は自転車を停めて私の隣に並んで、右手を高く上げた。
「大樹、今何㎝?」
「ん〜178㎝?」
「私より高くなってよかったね!」
「お前、ウザいぞ」