キミだけをずっと



「これ落としてたから」



私の証明写真と名前が書かれた受験票を渡された


私はその受験票をしっかりと見つめ、受け取った



「あ…すみません、ありがとうございます」



彼は口角を上げ口元だけは笑っていた


そしてスッと私の横を歩いて行った



振り向くと、彼は一人で歩いていた


その後ビックリしたことに、彼は私と同じ教室へ入って行った




教室へ入るとシーンとした雰囲気の中、1番後ろの席に腰を下ろした


受験票を拾ってくれた彼は、右前の席に座って勉強をしていた



受験票を机の上に出し、裏を見てみると…



「写真がない!」



確かにトイレにいた時は、受験票と一緒に写真も挟んでいたはずなのに…


慌ててバックの中も確認したが、やはりなかった






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