キミだけをずっと
「何の用だ?」
「俺はテストの出来栄えを聞きに来ただけだよ!」
「あいつは当然満点に決まってるだろぉ」
兄の悠真が大樹の胸元を掴んで言い合いをしていたのだった
走って二人を止めに行った
「やめてよ!ほら兄ちゃん離して…」
悠真は大樹を睨みつけて、胸元から手を離した
そしてさっさと家に戻っていった
大樹は悠真をずっと見ていた
「ゴメンね…、わざわざ来てくれてたのに」
少し眉間にシワが寄っていた大樹の表情は、私が話しかけるとニコッとした明るい表情にと変わった
「いいんだよ。それより…、テストはどうだった?」
「うん…」
下を向いて俯いていると
「…もしかして、できなかったのか?」
「そうじゃないよ?」
大樹から背を向け反対を歩きだした