キミだけをずっと
唇を離すとお互い照れて下を向いた
「いちごの味がしたんだけど、さっき何か食べたのか?」
苺?そう言えば…
さっき苺味の飴を舐めていた
ふふっと笑い私は大樹の右腕を掴んで、少し小声で話し掛けた
「ねぇ、大樹」
「ん、何?」
「明日、立慶大の合格発表だね…」
「そうだな!」
「私だけ落ちてたら、どうしよう…」
現実に戻り、もし大樹だけ合格してしまったらどうしようかと
大樹の腕から離れて、自分の肩にかけていたバックをかけ直した
すると私の言葉に少し眉間にしわを寄せた大樹が私の前に立って、両手を私の肩に置いた
「そんなこと言うなよ!テストは出来たんだろ?俺が言ってんだから大丈夫だって!」
「うん…」
私の顔を見て笑った大樹はすっと肩から手を降ろして、ポケットに突っ込んだ
「明日は大学まで見に行くのか?」
「んん。お兄ちゃんにパソコンで見て貰おうと思って!」
「そうなんだ!大樹は?」
「俺?俺は…、荒川と行く予定」
「そうなんだ!」
本当は大学まで行きたかった
でも何故か行く勇気がなくて…
歩いて帰っていると、あっという間に家の前についてしまった