キミだけをずっと
「この前の試合の日にさぁ〜」
雄大は璃沙にあの日の事を手振りで説明しだした。
私は二人の会話を挟むように笑顔で話しかけた。
「私、先に教室に行くね?」
すかさず走って靴箱へ向かった。
「何か愛美とあったの?」
「別にねぇーよ」
少し不機嫌に雄大に話しかけた璃沙。
教室に入るとすぐに自分の席にバックを置いて、教室の窓へ歩いて行った。
教室の窓からは運動場と正門が眺められる。
「おはよう!」
朝から爽やかな挨拶を交わす声が聞こえた。
後ろを振り向くと、朝練を終えてきた大樹がいた。
朝から大樹はクラスの男子達に囲まれていた。
また窓の外を眺めていると、隣に誰かが近づいてくる足音がした。