キミだけをずっと
母さんの後ろ姿を追った
「父さんいつ帰ってきてたの?」
「昨日の夜2時じゃないかしら!」
そんなに遅くに家に帰ってきてたのか
全く気付きもしなかった
「お父さんね、大樹の卒業式に間に合わなくてガッカリしてたわよ!」
母は台所でティーカップに紅茶を入れていた
俺は首に巻いていたタオルを洗面所の洗濯カゴに投げた
「そうなんだ」
「それより大樹、同窓会は時間大丈夫なの?」
時計を見ると夕方の4時だった
「やばいな…」
自分の部屋に戻り財布と携帯をポケットに詰めて、玄関へ駆け込んだ
「行ってきます」
リビングに向かって叫んで出て行った