キミだけをずっと
「何見てんの?」
後ろを振り向くと、首にはタオルをかけていて、ポケットに手を突っ込んだ格好の大樹が立っていた。
大樹は傍の机に腰を降ろして座りだした。
「朝練があったの?」
「おう!」
大樹は優しい眼差しで私を眺めていた。
「あっそういえば!昨日お兄ちゃんに何か言われたの?」
「はぁ?あぁ…」
「ん?」
窓を背もたれにして口ごもった大樹をジロジロと見ていた。
「何でもない。ただパシらされただけ!」
「そうなんだ。お兄ちゃん、何も教えてくれなくて。」
「お前の兄貴、人使い荒れーよ」
少し笑いを混ぜながら二人で盛り上げっていた。
「何話してんの〜?」
のこのこと雄大が大樹の背後から近づいてきて、腕を大樹の肩にかけて馴れ馴れしく話しかけてきた。
「いいだろ、別に」
大樹は少し眉間を寄せて雄大の重く乗っている腕を必死に払おうとしていた。
「ってかお前、朝練サボったろーが」
「寝坊してさ、わりー!」
あのチャラい雄大を大樹が叱っている。
なんか変な光景…
金髪風のチャラ男と黒髪の爽やか男子
なんとも対照的な二人。