キミだけをずっと
バス停に着き、ちょうど自分が乗るバスが目の前に止まった
扉が開きバスに乗り込むと、1番奥の横長い席の窓側に座った
景色を眺めながらバスはユラユラと揺れながら進んで行った
二、三つ進んだバス停で、見覚えのある人を見つけた
その人も窓側に座っている俺に気付き、笑いながらバスに乗り込んで来た
「まさか同じバスに乗るなんてね!」
俺の前に現れたのは、中学3年の時に同じクラスだった
宮坂紗良
愛美の親しい友人、いや親友に値する
宮坂は俺の前の席に座り、背もたれに肘を乗せて後ろを振り向いてきた
「ねぇ、今日の事は愛美は知ってるの?」
「あぁ知ってる」
「そうなんだ…」
そうなんだと口にした宮坂は、へぇと言う顔で前を向き直した