キミだけをずっと
「ピー」
笛がなるにつれてスタートダッシュをする。
「何秒だった?」
先に50m走を走っていた璃沙が、順番待ちをしていた私のところへやってきた。
「9秒だった」
「まぢ!?」
二人で話していると、少し離れたところで男子達がタイムを測っていた。
女子達は男子達の方ばかりを気にして見ていた。
「雄大と大樹、どちらが速いかな〜」
璃沙が興味ありげに男子達の方を向いて話していたから、私も顔を男子達に向けた。
ってかあんなペラい奴に負けるなんてありえない!
そう思いながら、遠くから見ていた。
大樹と雄大はペアで待機していた。
「雄大頑張れ〜」
璃沙は跳びはねながら全力で応援していた。
「ほら、愛美も応援して!」
「あ、ううん」
璃沙の言われるがままに応援するはめに…