キミだけをずっと



「ぜってーお前には負けない」


「俺だって」



大樹と雄大は二人して睨み合っていた。


先生の笛の合図で二人はスタートした。


途中まで競っていたが、後半疲れが出たのか雄大は大樹に抜かれてしまっていた。



「あぁも〜雄大何やってんのさ」



璃沙は雄大達を遠くから見ていて、少し機嫌が悪くなっていた。


心の中では'よっしゃー‘と思いながら…



タイムを測り終えてクラス全員が集められた。



「ブロック対抗に出る選手は…佐野、お前だ!」


「えっ、まぢっすか!?」



クラスのみんなから拍手が湧いてきた。


雄大はちょっと悔しそうに遠い方向を向いていた。



「雄大さ、ライバルの大樹に負けて悔しいんじゃない?」



後ろに座っていた紗良が小声で雄大をちらっと見ながら話し掛けてきた。




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