キミだけをずっと



図書館に入ると受験前もあって、他校の学生が既に席を埋めていた。



ガラス越しで空席を探していると、学習室から北高の男子二人が廊下に出てきた。



すると私の肩をドンドン叩いてきた。



「愛美、あの人いたよ!右側の人!」


「えっ本当…?」



後ろを振り向いて確認してみると、確かに杏里が気になっている男子らしき人が見えた。



「よかったじゃん!…あっ、席空いてたよ。」



そういって学習室へ入って行った。



バックを下ろして、机に勉強道具を広げていると



「ちょっとトイレ行ってくるねっ!」



杏里はトコトコと学習室から出て行った。


多分、あの男子を近くまで見に行ったのかな〜。



杏里を少し気にしつつ、勉強を始めた。




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