キミだけをずっと



体育の時間中に、男女混合リレーの練習をしていた。



「意外に杏里って積極的じゃない?」


「杏里を甘く見てたわ…」



二人で話しながら準備をしていると、遠くから誰かを呼ぶ声がした。



「おーい、こっち!」



大樹が手を挙げて私達を呼んでいた。



急いで大樹と雄大の元へ駆け寄った。



「ゴメン、お待たせ!」



息を整えながら、バトンを大樹に手渡した。



「雄大と走る順番を決めたから。一区は田崎、二区は雄大、三区は愛美、四区は俺。」



「了解でーす!」


「じゃあ早速練習するかっ!」



私は先生からタイムウォッチを貸してもらった。


まず雄大が一区を走った。


さすがバスケ部、瞬発力がいい。


勢いをつけた雄大から、璃沙にバトンタッチをした。



璃沙はバトンを落としそうになりながら、なんとか耐えた。




< 31 / 221 >

この作品をシェア

pagetop