キミだけをずっと
体育の時間中に、男女混合リレーの練習をしていた。
「意外に杏里って積極的じゃない?」
「杏里を甘く見てたわ…」
二人で話しながら準備をしていると、遠くから誰かを呼ぶ声がした。
「おーい、こっち!」
大樹が手を挙げて私達を呼んでいた。
急いで大樹と雄大の元へ駆け寄った。
「ゴメン、お待たせ!」
息を整えながら、バトンを大樹に手渡した。
「雄大と走る順番を決めたから。一区は田崎、二区は雄大、三区は愛美、四区は俺。」
「了解でーす!」
「じゃあ早速練習するかっ!」
私は先生からタイムウォッチを貸してもらった。
まず雄大が一区を走った。
さすがバスケ部、瞬発力がいい。
勢いをつけた雄大から、璃沙にバトンタッチをした。
璃沙はバトンを落としそうになりながら、なんとか耐えた。