キミだけをずっと
口喧嘩をしながらまた二人で走りだした。
「あっ!」
石につまずいてこけそうになった。
倒れそうになった私の腕を大樹は掴んだものの、一緒に倒れてしまった。
ドサっ
痛った!!
目の前には顔から数cmしか距離がない大樹が私の体の上に倒れていた。
顔を上げた大樹は下敷きになっていた私をじっと見ていた。
「ちょちょっと、重い…」
状況にやっと気付いた大樹はゆっくりと私の体から離れていった。
「…わりぃ」
大樹は私に手を伸ばしてきた。私は大樹の手の平に手を載せた。
引っ張られて起き上がった私はボー然としていた。
あんな広い運動場のど真ん中で大樹と密着なんて…
あぁ〜何やってるの私!
真っ赤になった顔を両手で隠しながら、隣にいる大樹を見上げた。