キミだけをずっと
追憶 -Side 大樹-
夏休み最終日
俺は地区大会の優勝決定戦に北高との試合だった。
夏休みなんか俺には全くなかった。
すべてバスケに注いで…
三年間のきつい練習に堪え、キャプテンとしての責任を果たすべくここまできた。
ここで負けてたまるかよ。俺達は全国に行くんだよ!
そう誓って、コートに立った。
コートの外で声援を送る女子西高生がいた。
北高には俺のライバル、荒川亮佑がいた。あいつには絶対に負けたくない。
試合は両者とも同点でヒヤヒヤしたゲームだった。
なかなか上手く自分らしいプレーが出来ずにいた。
そんなとき、ひょっこり顔を出して俺を見ていた女子に気付いてから…
なぜか力が沸いて来て。相手の弱点を探り出した上に、得意のスリーポイントが次々と入るようになった。