キミだけをずっと
夕食後、2階にある自分の部屋に入ると一目散に壁にかけられていた真新しい制服を手に取った。
「可愛いじゃん」
紺のブレザーに白のVネックのニット、白のYシャツに紺の少しプリーツが入った無地スカート。地味さが少し消える赤のリボン。
西高はこの辺りでは進学校だから、校則は緩いらしい。
髪を結ぶの面倒だし、いいっか!
そういって傍にあるベッドに倒れて、そのまま寝てしまった。
「今何時?」
私はゆっくりとベッドから起きるとそのまま1階へ降りると、人気のない静かな家に一人で立ち尽くしていた。
リビングのテーブルの上に置き手紙が残されていた。
私はその手紙を眠たい目を擦りながら手に取ると
「お母さんは買い物、悠真はバイト、お父さんは出張です。ご飯は冷蔵庫にあるから!」
なんだこれ。
日本に戻ってきては一人。
友達なんて一人もいない。
もう10年前にいなくなった人なんてとっくに忘れてるだろうし。
まぁこの際、近所でも散歩しようかな…
一度自分の部屋へ戻り、私服に着替えて家を出た。