キミだけをずっと
放課後、愛美を誘って帰った。
家の前まで送ると、自転車を停めた愛美が俺と背くらべをしだした。
「背、高くなってる」
愛美は満面な笑みで笑っていた。
10年も会ってなければ、顔だって変わるし背だって伸びる。
思わず俺は愛美を抱きしめてしまった。
「おかえり」
愛美は大きな目をキョトンとさせていた。
愛美は俺の背中に回して強く抱きしめて
「ただいま〜」
愛美の甘い声が俺の胸に響いた。
そうしている間に、向こうから愛美の兄貴が近づいて来た。
「げっ、兄貴じゃん」
「大樹こっちこい!」
「えっ…」
兄貴が俺の肩を組んでどこかへ歩き出した
「おぃ大樹」
「なんだよっ!」