キミだけをずっと
放課後に一人で教室を出て、階段を降りていると下で誰かが立っていた。
階段を降りると、そこには雄大が立っていた。
「待ってたよ、大樹」
「…」
雄大は俺を待っていた。
二人で並んで階段を降りていると、雄大が重い口を開けた。
「まなみんとはただの幼なじみなんだろ?」
「あぁ、そうだよ」
「じゃあ俺、まなみん狙ってもいいだろ?」
「そもそもまなみんって…」
呆れた顔で雄大よりも先に階段を降りて、雄大を待っていた。
「お前、理解出来てるか?」
「俺がKYだと思うか?」
雄大が階段を二段越しで飛び降りて、俺の顔の前まで近づいてきた。
「…ってかお前、彼女いるだろ。そっちはどーすんだよ!」
「俺の気持ちはまなみんに夢中だよ」
ヤバい、まじで。
雄大は本気だ。
俺はこのままでいいのか?
愛美をすんなり雄大に渡してもいいのだろうか…