キミだけをずっと
「あれ?佐野じゃん!」
他校の制服を着た男子が大樹に話しかけてきた。
「荒川、久しぶり!」
…荒川?
大樹より背が2〜3㎝高い男子だった。
「あれ?この前図書館で…」
「あ、前田くんの隣にいた!」
そう、図書館で見かけたがその前にも見かけた覚えがある男子は、北高の荒川くんだった。
「何、知り合い?」
大樹は半信半疑な様子で私と荒川くんを見ていた。
「ううん…まぁ」
「ってか俺達、運命感じるかも!」
「はぁ?」
わざとらしく荒川くんは大樹に嫌みの様に言葉を放った。
「はは、嘘だって!」
大樹はほっとため息をついていた。
「紹介するよ、北谷高の荒川亮佑」
「よろしく♪」
「よろしく」
「中学で一緒のバスケ部だったんだ」
「そうなんだ〜」
大樹は中学の頃からバスケをしてたんだ…。
大樹の中学時代のことは何も知らない。
見れるものなら、見てみたいな。