キミだけをずっと
昼休みはあっというまに過ぎて、二人三脚の出番がきた。
「最後にいい思い出作ろうぜ!」
「そうだね♪」
私と大樹の片足ずつ鉢巻きで結んだ。
それからピストルがバンっとなった。
高校3年、最後の体育祭が終わった。
「お疲れ〜」
クラスに戻った私は真っ先に自分の席へ向かった。
「近々、打ち上げしようぜ!」
「それいいね〜」
クラスの皆が騒いでいる間、私は疲れきって机に俯せになって寝てしまった。
すると私の席で足音が止まり、パシャっというシャッター音がした。
目を開けると目の前では携帯をいじっている大樹がいた。
「なんか撮らなかった?」
「いや、別に?」
何もなかったかのように振る舞う大樹。
怪しいっていうか、バレバレだから!