キミだけをずっと



昼休みはあっというまに過ぎて、二人三脚の出番がきた。



「最後にいい思い出作ろうぜ!」


「そうだね♪」



私と大樹の片足ずつ鉢巻きで結んだ。



それからピストルがバンっとなった。





高校3年、最後の体育祭が終わった。



「お疲れ〜」



クラスに戻った私は真っ先に自分の席へ向かった。



「近々、打ち上げしようぜ!」


「それいいね〜」



クラスの皆が騒いでいる間、私は疲れきって机に俯せになって寝てしまった。



すると私の席で足音が止まり、パシャっというシャッター音がした。


目を開けると目の前では携帯をいじっている大樹がいた。



「なんか撮らなかった?」


「いや、別に?」



何もなかったかのように振る舞う大樹。


怪しいっていうか、バレバレだから!




< 54 / 221 >

この作品をシェア

pagetop