キミだけをずっと



「嘘でしょ!ちょっと見せてよ」



私が大樹の携帯を奪おうとすると、大樹は携帯を高く上げた。



「寝顔写メいただき〜」


「ちょっと、大樹〜」



大樹が教室を走り出した。私も携帯を奪おうと大樹を追い掛ける。



「何やってるんだろう、愛美は」


「本当にあの二人、仲がいいよね〜」



璃沙達が私と大樹が騒いでるのを見て笑っていた。


追い掛けるのを諦めた私は璃沙達の輪に戻った。



「そうだ、杏里!前田くんは体育祭来てた?」


「あ、そういえば!それっぽいの見てないんだけど?」



杏里はちょっと照れてるのか、顔をピンクに染まっていた。



「昼休みに会ったよ!」


「それで?」


「付き合うことになった!」



杏里はピースをして凄く幸せそうだった。


私達は杏里に抱き着いた。



「おめでとう〜!!」


「ありがとう〜♪」



今日は杏里にとって特別な日になったし、私も…。



大樹と少しずつ近付けた気がする。




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