キミだけをずっと


顔をひょっこり出して試合を覗いてみると、男子の試合が行われていた。


赤のユニフォームの西高と、白のユニフォームの北高が同点で競っていた。



ただ一人、輝きを放っていた選手が一人いた。


彼は西高の選手で、爽やかな印象でこのゲームのポイントゲッターでもあった。


ああゆう人って女子に絶対モテるなぁ、と一人で心の中で呟いて、いつの間にか真剣に試合を見ていた。



スパッ


綺麗に一本一本シュートを決める彼を真剣な眼差しで見ていた私は、彼が一瞬私に気づいたのか、視線を私にチラッと向けた。



えっ



目が合った。一瞬だったけど。


でもどこか懐かしい目をしていた。



試合は西高が点差を開きだしてから、その場から離れて学校を後にした。



こんなに夢中になったのは初めてだった。でも、早く家に帰らないと・・・





明日の学校が楽しみでしょうがなかった。


不安もある一方、ワクワクとドキドキが大きくなっていった。






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