キミだけをずっと



「杏里、紗良!」



目の前には二人が会話をしながら歩いていた。



「お〜、愛美じゃん!」



手を振って杏里達のところへ走っていくと



「こけるなよ〜!」


「は?何?」



後ろから大樹の声が聞こえて振り向いた瞬間



「愛美前向け!」


「わぁ!」



石につまずきこけてしまった。



「大丈夫か?」


「大丈夫?」



大樹や杏里達が私を囲む。



「痛ーい。」



起き上がると左足に痛みを感じ、擦りむいていて血が出ていた。



「立てるか?」


「うん…」



大樹が腕を掴んでくれてゆっくりと起き上がると、やっぱり左足が痛かった。



痛い表情の顔を見ていた大樹は、急に私の身体をお姫様だっこした。



「ちょちょっと!」


「保健室行くぞ」



そういって学校の中へ入って行った。




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