キミだけをずっと
みんなの視線が私たちに注がれる。
「佐野くんと噂のあの子だ…」
「やっぱり付き合ってるの?」
そんな声が聞こえる中、大樹の顔を見るといつにもなく真剣な表情だった。
保健室に着くと、私はベッドに座って大樹が絆創膏や消毒を探してくれた。
「何でこの日に限って先生いねぇんだよ…」
保健室の先生は出張中でいなかった。
大樹が絆創膏と消毒を持ってきてくれた。
「自分でするからいいよ?」
「いや、俺がする」
今日はいつになく優しい大樹。どうしたんだろう…
私の向かい側に大樹はパイプ椅子を置いて座る。
「お前、鈍臭いな」
「な!」
私のためらった顔を見てクスッと笑う大樹。
「ふっ。まさか石ころでこけるなんてどんな神経してんだよ!」
「…ああのね〜」