キミだけをずっと
走り去った私に気付いて大樹が私を追いかけてきた
「待てよ!」
後ろから大樹の声が聞こえるが、振り向かずに走り続ける
「待てって!」
大樹に追いつかれ腕を掴まれた
引っ張られて無理矢理振り向かされると大樹と目が合ってしまった
今の私の顔って大樹に対してどんな顔してるんだろう…
「…放して。…放してって!」
バッと無造作に腕を放し、そのまま走って学校を出た
走っている帰り道に杏里と紗良が並んで前を歩いていた
すれ違った瞬間に泣いているのに気付いたのか、呼び止められた
「愛美!どどうしたの?」
「杏里…紗良。私どうしよう…」