キミだけをずっと
3年C組、私が入ることになったクラス。
担任の先生に連れられてクラスの目の前まで来た。
周りを見渡すと、隣のクラスの窓から顔を出す生徒が数多くいて私を見ていた。
下を向いていると、「入りなさい」と言われ不思議な雰囲気がするクラスに足を踏み入れた。
入った瞬間、クラスの生徒から視線を浴びた。
「オーストラリアから転校してきた、橋口愛美さんです。」
私のことを簡単に説明をした先生の後に、何か言わなければと思い
「短い期間ですが、よろしくお願いします」
挨拶はしなくちゃね、と
挨拶が済んだところで、先生は空いてる席を探し始めた。
「うーん、じゃあ。あそこの佐野の隣ね!」
佐野?
「あ、はい」
自分の席に歩いていく間、いろんな声が耳に入ってきた。
「可愛いじゃん!」
「絶対向こうでモテてたよね」
「帰国子女ってカッコイイよね〜」
自分の席に着くと、隣の席の男子がずっとさっきから私を見つめてくる気配がした。
横を振り向いて見ると視線がぶつかった。それもお互い反らしもせず…
「愛美だろ?」
「もしかして…大樹?」