キミだけをずっと
廊下で耳を澄ませてみれば
「じゃあ先に帰るね」
「ちょっと待った」
やはり愛美と雄大の声がした
俺は長い廊下を走って愛美の名前を叫んだ
「…愛美!」
息切れをしながらも何度も叫んだ
雄大は愛美がこの学校に転校してきた日から、やけに態度が変わった
女子に対する態度とかどこか犯しいとは思っていた
俺には直接戦いを申し込んできたしな
あいつに愛美を取られてたまるかよ
愛美は俺にとって大切な…
大切な…友達、親友だから
俺の叫び声が聞こえたのか
「大樹!」
遠くからしっかりと俺の名前を呼んでいた