キミだけをずっと



俺は荒川に呼ばれて北谷高校へ向かった


自転車を停めて座ったまま荒川が来るのを待っていると


校舎から出てくる女子生徒が他校の制服を着ている俺を見て指を指して何か言っていた



「あの人かっこよくない?」


「私も思った!隣の西高じゃない?」


「頭良い…」



俺は全く気にせずにイヤホンを耳に付けて音楽を聴いていると


目の前の地面に人影が写っていた



「おぃ!」



肩を叩かれ正面を向くと荒川がポケットに手を突っ込んだ姿で立っていた



「何の用だよ。用がないなら帰るよ」



イヤホンを片方ずつ外しながら不機嫌気味に荒川と話してしまった






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