キミだけをずっと



俺の浮かない顔に気付いた荒川が’何だ何だ?‘と声を上げた



「やっぱり何かあるんだろ?」


「だから何もないって。それにあったとしてもお前には…」



「原因はあの子か?」



ドツボを刺され思わず苦笑いをした


荒川はやっぱりなという顔で俺を見下ろしていた



「何があったか知らんけど、どうせつまらないことで濱田とでも喧嘩したのか?」



次々に俺の悩みの種を暴いていく荒川


お前…超能力者か?



「そうじゃない」


「じゃああれか!愛美ちゃんが誰かに取られたとか?」


「んなわけ…」


「お前、モテる割には臆病なとこあるよな。愛美ちゃんに告白も出来ないで一人で落ち込んでんのか?」



そうだよ


俺はどうせそんなやつだ


恋愛になるとなぜか臆病になる


しかも気もきかない男だしな





< 88 / 221 >

この作品をシェア

pagetop