キミだけをずっと
そこには10年前ずっと一緒にいた大樹が隣にいた。
大樹は私に柔らかな笑みを見せた。
吊られて私も微笑んだ。
「元気にしてた?」
「うん!まさか同じクラスなんてね」
なんて偶然なんだろう
クラスにすぐに馴染めるか不安だったけど、大樹がいたことで一瞬の内に不安はどこか消えてしまっていた。
休み時間になると、私の机の周りには人だかりが出来ていた。
「佐野と仲良さそうだけど、橋口さんは佐野とどういう繋がり?」
「え、10年前の近所の幼なじみ!」
私は微笑みながらクラスの人と打ち解けあっていた。
すると教室の廊下側に座っていた男子が私に近づいてきた。
「俺、濱田雄大。よろしく!」
金髪に近い茶髪で見た目がもろチャラい感じの男子だった。
「よよろしく…」
するといきなり手を捕まれ、握手をさせられた。
何なの、こいつ。