キミだけをずっと
「あ、そうだ!」
私から去ろうとしていた璃沙が足を止めた
そして私に振り向いた
「雄大はともかく、佐野はいいの?」
「え?」
「佐野と昨日のことについてまだ誤解のままなんじゃないの?」
「誤解…」
「誤解されたままモヤモヤした気持ちで卒業してもいいの?」
璃沙の真剣な目を見つめ返す私
璃沙の言うことはすべて正しいと思う
ごたごたした関係でスッキリとした卒業なんてできない
「私も頑張るから、愛美も頑張ってよ!」
「うん」
私と璃沙はお互いクスッと笑い始めた
その時、階段を誰かが上ってくる足音がした
「璃沙!」