恋するホイッスル☆~サッカー少年へ~

「…スカウト制?」

「あぁ」

「…何それ?」

「…今の部長の相田先輩が決めた事なんだ。うちのマネージャーになりたいって人たちが多くてさ」


確かに。
あの人だかりからは容易に想像が出来ます。


「その中には純粋にサッカーが好きでしたい人もいるんだろうけど、大半がサッカー部の奴等目当てでさ」

「……………」



…………う。
何も言えない。
私もその大半の中の一人です。

「だから、俺らサッカー部が直接サッカーが好きそうで、マネージャーに向いてそうな人を探すってなったんだ。それ以外のマネージャー申請は出来ない事になってる」

「…そっか」


なら駄目じゃん。
ちょっと心細いけど、一人で頑張るしか……


「ま、岡部は面倒見良さそうだよな。すっげー気ぃききそうだし」

「…え?」

「高田もあんな性格だし、部が盛り上がりそうだよな」

「…それって」


もしかして…もしかする!!?


「三人共俺の推薦ってことで」

「ありがとう佐野君!!」


私の我が侭なのに。
笑顔で答えた佐野君に、もっと愛しさが増した。


< 16 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop