恋するホイッスル☆~サッカー少年へ~
「…スカウト制?」
「あぁ」
「…何それ?」
「…今の部長の相田先輩が決めた事なんだ。うちのマネージャーになりたいって人たちが多くてさ」
確かに。
あの人だかりからは容易に想像が出来ます。
「その中には純粋にサッカーが好きでしたい人もいるんだろうけど、大半がサッカー部の奴等目当てでさ」
「……………」
…………う。
何も言えない。
私もその大半の中の一人です。
「だから、俺らサッカー部が直接サッカーが好きそうで、マネージャーに向いてそうな人を探すってなったんだ。それ以外のマネージャー申請は出来ない事になってる」
「…そっか」
なら駄目じゃん。
ちょっと心細いけど、一人で頑張るしか……
「ま、岡部は面倒見良さそうだよな。すっげー気ぃききそうだし」
「…え?」
「高田もあんな性格だし、部が盛り上がりそうだよな」
「…それって」
もしかして…もしかする!!?
「三人共俺の推薦ってことで」
「ありがとう佐野君!!」
私の我が侭なのに。
笑顔で答えた佐野君に、もっと愛しさが増した。