恋するホイッスル☆~サッカー少年へ~
ふんって感じで怒ってても、やっぱりママの料理は美味しすぎるから機嫌もすぐ直る。
みんながご馳走様したら、私がお片付け。
お皿洗いして、ゆっくりテレビを観る。
最近、純愛ドラマにハマってて。
学園モノだし、つい、自分と同じで感情移入しちゃって。
ソファーに座り、ドラマ観ながら飲むためのココアも準備。
あ、あとタオルも。
感情移入のし過ぎで泣いちゃうから。
ぎゅっとタオルを握りしめ始まったドラマ。
やっぱりあの俳優さんより佐野君のが格好いいなとか思っちゃうあたり、恋は盲目だなと思う。
最後あたりになり、タオルでぐじゅぐじゅになった顔を拭いていると、ただいま、と小夏の声が聞こえた。
「お゛がえ゛り゛」
「…バカじゃん」
リビングに入ってきた小夏は、毎度同じセリフ。
絶対に私に対して専用の言葉。