恋するホイッスル☆~サッカー少年へ~

気付くと、うっすらと暗くなってたので自主練はここで打ち切りになった。

それから、一緒に部室に行くと誰も居なかった。
ケータイに入ってた翔子からのメールには『先に帰る』と入ってた。


「メールじゃなくて一言くれればいいのに」

「…一人か?」

「え?あ、うん。翔子も亜実子も先に帰ったみたい」

「……送る」

「ふえ?」


俺が付き合わせたし、と佐野くんが部室を出ながら呟いた。

「あ、待って!!」


佐野くんは自転車通らしい。
道路側を自分が歩いて、歩道を私に譲ってくれる。

それだけで、そんな優しさだけで凄く幸せになる。


「…陽斗、なんか言ってたか?」

「え?」


佐野くんと歩いてる幸せを噛み締めていた私は、よく聞こえずに聞き返した。


「いや、陽斗となんか耳打ちしてるの見えてたから」

アイツお喋りだから、とゴニョゴニョ言う佐野くんが可愛いくて更に悶える。


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