恋するホイッスル☆~サッカー少年へ~
「「∑!!!!!」」
「先輩方、セクハラで訴えますよ!!」
「…とりあえず、ふざけないで練習してきてください」
うずくまる先輩達はまだ懲りなかったらしい。
痛みから立ち直ると二人はまた訴えられそうな会話を始めた。
「おい木村、やっぱり女性に聞くならショーツからだろ」
「環こそブラから聞けば問題ねぇっつったろ」
……いい加減、練習しなくていいのかなぁ。
「「小春ちゃん、翔子ちゃん、ショーツは何色ですか?」」
また足でも踏んでやろうと構えた瞬間だった。
何処からともなくボールが二つ、二人に当たった。
「先輩達、真面目に練習してください」
「まぁ佐野くんったらぁ」
「生意気ぃ」
ボールは佐野くんによって蹴られたものだった。
「てゆか何であたしには聞かないの!!?」
「タイプじゃないし」
「聞く気しないしぃ」
環先輩と木村先輩は言いながら颯爽とピッチに入っていった。
「……あたしって」
よよよとふざける亜実子に何故か背中を擦ることしかできなかった。