恋するホイッスル☆~サッカー少年へ~
「…唐突だな。サッカーは楽しいぜ!!すぐ夢中になっちまう!」

笑顔で彼はそう答える。

でも、よく見ると体にいっぱい傷があった。

「…いっぱい、ケガしてるよ?」
「全然構わないね。サッカーするのに傷は付き物だからな!」

またも笑顔で返されて、言葉が出なかった。

本当に楽しそうに笑う彼に、ずっと心の中で言っていた言葉。

ずっと彼に言いたかった言葉を言った。

「頑張れ!!サッカー少年!!」

目一杯の笑顔で笑いながら。

「……!」

一瞬、間があいてそれから佐野君はニカっと笑って、おぅ!っと元気よく返事をしてくれた。

「でも、そろそろ自主練は切り上げたら?」
「そうだな。じゃあな、白鳥!」

バイバイって佐野君に手を降って別れた。

一人帰りながら考えることは、佐野君のことばかり。

佐野君と話しちゃった。

本当に佐野君はサッカーが好きなんだなって、少しだけど話しててわかった。

そして、そんな佐野君が好きなんだっていうことも。
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