white snow.
「…… あーあ、終わっちゃった」
「そりゃあれだけの勢いで食えばな……」
「だねー」
エサを食べ終えたウサギはピョコピョコ跳びはねて、自由に跳び回る。
惜しむように、空になった割り箸を見つめ、跳びはねるウサギを目で追っている。
「シカにもあげてくれば?」
あまりにも惜しむように見つめるまおがかわいそうに見えて……。
シカセンベイが置いてある方に指差す。
「いっくんもあげよっ」
「俺はやらないって」
「いーから、いーから」
“行くよっ”なんて言って、俺の腕を引っ張っていく。
気まぐれっていうか、わがままというか……。
「近くで見るとあまりかわいくない……」
「バカッ、そんなこと言うなよ」
「ま、いいか」
シカセンベイを半分に割り、恐る恐るまおが近づけた。