white snow.




近くで見ると、やっぱり迫力がある。


「…… うわっ!」


まおのエサにシカが勢いよく近づき食べたせいか、まおが後ろに飛んだ。


「もー、びっくりするでしょー」


だから、まお。 お前はさっきから動物に話し掛けたって意味ないっての。

動物…… シカから返事が返って来るはずもなく。


「おいしい?」


バリッ バリッ バリッ―――。


「そっかー、おいしいか」


バリッ バリッ バリッ―――。


まおが楽しそうだからいいか。


“かわいくない”なんとか言っておきながらも、楽しそうにエサをあげているまおが本当に楽しそうで―――。


――― パシャッ。


つい、写メってしまった。


「あーっっ! 今、撮ったでしょー」


「気のせいだろ?」


「削除してよねっ」




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