white snow.

右手と左手。





遊園地よりお客の数は少ないものの“バレンタイン”と言うこともあり、家族連れ以外にも“カップル”が多く目立つ。


「ほらっ」


「うんっ、行く」


それに影響されたわけじゃない。 決してそんなことは無いが、まおに手を差し出す。

まおはまおで、なんの疑いも、ためらいもなく繋いできた。

俺としては嬉しいからいいけどよ……。


「…… ひぃっ!」


いちいち、暗いからって変な声を上げるな!


夜行性動物コーナーは、どうしても明かりを落としている。

だから、辺りは若干暗い。

忘れていたけど、まおは暗いの得意じゃなかったな。


「ねぇ、ここって何が見れるの」


「フクロウとかいるんじゃね。 …… ほらっ」


目の前を指差す。


ケージに入っているフクロウが余程珍しいのか、まおが俺から離れていった。




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