white snow.
俺の袖を引っ張り、まおが小声で話し掛けてくる。
「いっくんって、スケートやったこと無いの?」
「別に……。 スキーは出来るわけだし、なんとかなるんじゃねーの?」
「どうする? あたしたちは別のとこ行く?」
まおは俺がスケート未経験だと、気づいている。
でも、まおに“出来ない”って思われるのが嫌で……。
「じゃあ、まおと前田くんは二人で滑ってねー」
「樹ー、頑張れよ」
結局、スケート靴までレンタルしてしまった。
出来ないくせにレンタルしてどうするんだか……。
横にはまおが笑顔で手を振り、陽太と愛川を見送っている。
さて……。
スケートの出来るまお。
スケートの出来ない俺。
この二人で何をするか……。