white snow.
PM.10:00.
「…… はぁー」
「ちょっとー、こんな綺麗なイルミネーション見て溜息なんてやめてよっっ」
そりゃ、溜息だって吐きたくなる。
隣に並ぶまおは俺がスケート出来ないって分かった途端、隠してはいるんだろうが嬉しそうに笑っているしさ。
なるべくまおのまえではかっこ悪いところ見せないようにしていた俺の努力が一気に水の泡になったような気がしてならない。
まおのことだ。
俺の出来ないものを見つけて喜んでいるに違いない。
まおは時々「いっくんに出来ないことは?」って聞いてきていたからな。
「見てみてー、雪の形だよ」
「そーだな」
俺のために合わせて悪いな。
本当だったら陽太たちと滑りたかっただろうに。
「なんか、悪いな……」
「え、なんで?」
足を止め、まおは俺を見上げる。