white snow.




本気で分かっていないのか、コイツは。


「まお、滑りたかったんじゃないのか?」


「スケート?」


今はその話をしているつもりだったんだけど?


「そんな“やりたーいっ”って思うほどじゃなかったし……」


少し俯き、まおが言った。


「いっくん、出来ないのに無理に付き合わせたくなかったしね」


“へへっ”と笑い、マフラーに顔を埋めた。


まおの…… こういう所、マジで好きだと思う。

普段からワガママばっかり、ワガママ言っていると思ったら、時々泣き虫になったり……。



「ありがとうな」


「どーいたしまして」


冷たくなった、まおの頭を撫でる。


そのままゆっくり頬へ手を伸ばす。




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