white snow.




「いっくん?」


「メイク、頑張ったみたいだな」


「う、うんっ」


まおの頬が紅く染まる。


言いたくて、言えなかった言葉。


「似合っている―――」


ずっと言いたくて、言いたくてしょうがなかった。

やっと言えて、まおのこの表情が見れたら俺は――― 満足だ。


「ありがとう」


目を細めて、首が小さく傾く。


「ちょっと歩くか?」


「うんっ」


白い息が明るく照らされるイルミネーションにとけた。


小さくて、冷たい手が俺と重なる。


「綺麗だねー」


「そうだな……」


閉園が近いこともあって、客足が少ない。

俺らは一泊の予定だし、遊園地に併設されたホテルに泊まるから、閉園ギリギリまで遊園地を楽しむことができる。




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