white snow.




この男の人……。 どこかで見たことがある。

でも、どこだったか…… 思い出せない。


「これ、もしよかったらどうぞ」


女の人に渡された――― 長細い小さな箱。


「バレンタインまで恋人限定に渡している“ネックレス”です」


優しい笑みを浮かべてネックレスを渡してくれる女の人。


「はい――― どうぞ」


まおに差し出す。


まおもまおで、彼女の優しい笑みに心を許したせいか手を伸ばし受け取った。


「よかったな、まお」


「うんっ」


目の前に立つ二人に視線を移した。


「ありがとうございます」


恋人じゃないが、なぜかネックレスをもらってしまった。

本当に、よかったんだろうか。


「本日はご来園ありがとうございました」




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