white snow.
少し離れた所、まおが立ち止まった。
「ねぇ、いっくん! さっきの人達みた? 見たよね?」
「まぁ、見たけど……」
「チョー、綺麗だったなー。 あの女の人……。
なんか、見ているだけでドキドキしちゃった」
照れていたってわけか。
そして、やっぱりまおはあの二人が誰かと分かっていない。
「まお、あの人たちが誰か分かったか?」
「園内スタッフじゃないの?」
はぁー、やっぱりか……。
だと思ったよ。
でもここはちゃんと教えておかないとまずいよな。
遠くに見える、俺達の泊まるホテルを指差し―――。
「さっきの二人は……」
きちんとまおに教え込む。
「あのホテルとこの遊園地とかを経営している、社長さん」
「……」
まおの動きが止まり…… 数秒後。
遊園地内に、まおの驚いた声が響き渡った―――。
「えぇーーーっ!」
fin.