white snow.




タオルで濡れた髪を拭きながら、部屋に戻った。


「あっ! 前田くんって、髪が濡れると意外とカッコイイんだねー…… っいた!」


陽太が愛川の頭を突く。


「どーいう意味だ? 愛川」


「もちろん、桐谷が1番だから!」


はいはい……。
二人で仲良くやってくれ。


この二人は俺に見せ付けるように仲良くしやがって。

絶対、わざとだよな。


そんな気がしてならない。



「なんで、愛川がいるわけ?」


ふと、思ったことを聞いてみた。


「えー、いちゃ悪いわけー?」


「まおは?」


今は一人なんだろうか?
もう、寝ているのだろうか?


「さっきお風呂入っていたから、もう出てきているんじゃない? 行ってくれば?」


まおとは隣の部屋。 簡単に行き来ができる。


愛川がこっちの部屋にいるってことは、まおは一人なんだよなー。

放っておいてもアイツは勝手に寝るだろうが……。


「ちょっと行ってくる」


「戻って来なくていいからねー」


愛川のこの言葉を微かに聞きながら部屋を出た。




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