white snow.

ドライヤー。





「――― まお?」


部屋の鍵は一応預かっている。

だから、すんなり入ることが出来た。


「まお?」


「……」


返事が返って来ない。

返って来ないって言うことは……。


【Bathroom】


この中だな。

女の風呂は長いって聞くからしょうがない。



部屋の作りは一緒だから、奥へ進み、備え付けのソファーに座った。


窓から見える、色とりどりに輝く観覧車を眺める。


ガチャリ――― ドアの開く音が聞こえた。

聞こえた方に、目を向けた。


「――― あっ!」


「よっ!」


驚いた目は大きく、俺を少し瞳に映したあと。


「やっぱりきたー」


なんて言って、俺の隣に座った。


「どうして俺が来るってわかったんだ?」


「だって、いっくんって…… 優ちゃんと陽太くんが仲良くしているの見るといつも、嫌そうな顔するから。

あたしがお風呂に行く前にね、優ちゃんが“桐谷んとこ行ってくる”って言って出て行ったから。 だから、こっちに来るかなーって思っていたんだ」




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