white snow.
ふーん、そうなんだ。
愛川は最初から俺をまおと二人きりにさせるつもりだったんだな。
陽太と愛川が仲良くしている姿を見るのは、マジで嫌だし。
「いっくんもお風呂上がり?」
「あぁ、さっきな」
「そっかー」
長い髪から、雫が落ちる。
「髪、乾かせよ」
「はーい!」
ドライヤーを使いにまおが立つ。
俺もその後ろを追い掛ける。
まおの手からドライヤーを取り、ウィーンと音を上げた。
さも当然のようにまおは俺の前に座り、俺に体を預ける。
まおの髪に触れるのは、幼なじみの俺の数少ない特権である。
正面にある鏡に目を向けると、鏡越しにまおと目が合う。
口角を緩めると、まおも表情が緩くなる。
かれこれ…… 15分程度だろうか。
まおの髪が乾いた。
乾き具合を確認するために、髪に指を入れる。